「継続は力なり」とは、本当です。
小さな努力でもコツコツ積み上げていけば、いずれ大きな力になります。
努力を続けていけば、子どもの成績は伸びていきます。
3通りの楽しさ
▼ところで、楽しさにも3通りあります。
1つ目は、おやつを食べておいしいようにそれを味わえる喜び・楽しさ。
2つ目は、ゲームのように遊び心がある面白さ・楽しさ。
3つ目は、目標を達成したときのように充実感を伴う楽しさ。
これらの1つでもあれば、努力が続けられるのです。
1つ目の解説はこちらです。
今回は、2つ目と3つ目についてお話ししますね。
遊び心がある面白さ・楽しさ
2つ目、「ゲームのように遊び心がある面白さ・楽しさ」について
キーワードは、「遊び心」です。
「遊び心がある面白さ・楽しさ」があれば、どんなことでも続きます。
▼子どもは、遊ぶのが好きです。
そして、それは子どもにとって大切なこと。
子どもにとって遊びは、成長する場なのです。
▼学校の勉強のなかにも、ゲームの要素を取り入れて学習する方法がたくさんあります。
たとえば、百人一首。
私が勤めていた小学校では、毎年、百人一首大会をしています。
小1から小6まで全員参加します。
小1・小2は、40枚の札。
小3・小4は、60枚の札。
小5・小6は、100枚の札で競います。
▼ほとんどの子は、上の句を聞けば、下の句を取れるようになっています。
たとえば、
「あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の・・・」
の途中まで(「あしびきの」を)聞けば、
「ながながし夜よを 一人ひとりかも寝む」
を取れます。
つまり、子どもたちは和歌を全部覚えているのです。
それは、遊びながら、ゲームに勝つために、自然と覚えていったのです。
(小学生は、ほんとに覚えるのが早いです。年齢が上になれば、これがだんだん難しくなります。わたしも・・・)
▼「和歌」は、普通、中学校、高校の国語で習うものなのですが、それを小学校のときに遊びながら、日本の古典文化に親しみ、しかも暗唱できるようになっていると、その学習に難なく入っていけます。
大人になっても、ちょっとした教養になります。
▼ところで、遊びを取り入れると、学習効果が高いのは、他の教科で同じです。
算数のパズル。社会の県名・国名クイズ。理科のおもしろ実験。国語・英語のしりとり、など・・・
ちょっと遊びの要素を入れれば、子どもたちは楽しく勉強できます。
楽しいから意欲的なり、長続きするのです。
目標を達成したときの楽しさ
▼3つ目、「目標を達成したときのように充実感を伴う楽しさ」についてです。
キーワードは、「目標を達成」です。
「目標を達成した楽しさ」を知っていれば、難しいことでも続けれられるようになっていきます。
▼目標を夢といっていいかもしれません。
目標は、より具体的な夢です。
この目標を達成するのは、誰でもそれなりの努力が必要です。
▼たとえば、何かの大会で優勝するという目標。
これを達成するためには、人並み以上の練習が必要なのは明らかです。
練習は厳しいが楽しいものです。そして、楽しいが厳しいものです。
でも、目の前に目標があれば、人はがんばることができます。
そして、もしもその目標が達成されたなら、ものすごく嬉しい。
それまでの厳しいと思っていた練習には、価値があったことが実感できます。
そしたまた、さらに新しい目標を目指して、厳しい楽しい練習を続けることができるのです。
▼しかし、子どもにいきなり、「〇〇の大会で優勝しよう」という目標をもたせてもうまくいかないでしょう。目標が大き過ぎます。
第一、目標は押し付けるものではなく、自分で決めさせるのです。
小さな課題としての目標は、親や教師が与えもいいと思います。
でも、大きな遠い目標は子どもが自分で決めなくてはなりません。
▼親や教師は、その準備を助けてあげるのです。
たとえば、子どもに小さな課題を与えます。
「リフティングを3回できる?やってごらん」
それが小さな課題。それが目標になります。
子どもができたら、大いにほめてあげます。
そして、達成感と喜びを味あわせます。
「すごい!じゃあ、5回はできる?」
できたら、大いにほめてあげます。
そして、達成感と喜びを味あわせます。
「すごい!じゃあ、何回くらいできると思う」
「ええと、じゃ、10回にチャレンジしてみるよ」
▼小さな目標を達成した子どもは、少しずつ大きな目標にチャレンジしようとします。
目標を達成した喜びを知っている子は、厳しさと苦しさのあとにもっと大きな喜びがあるのを知っています。
ですらから、苦しいときでも楽しみながらチャレンジすることを続けられるのです。