私が勤めていた学校では、小学6年生は、自分の好きなことのマメ博士になろうと毎年「卒業論文発表会」をおこなっています。
これは子どもたちが喜ぶ楽しい学習です。
子どもたちはぐんぐん成長します。
学校全体でおこなうのは無理があるかもしれませんが、担任の裁量でクラスごとに取り組むこともできるかと思います。
「卒業論文」を書く
以前は、「卒業論文」は原稿用紙百枚を書くことを目標とした時期もありましたが、これは小学生の男子には無理があったので、いまは方針を変えました。
書くことより、自分が好きなことを追究したり作ったりすることに力を入れています。
自分が興味をもつことにのめりこむ男子には、やりがいのある楽しい学習です。
卒業論文・制作は一年がかりで書きます。
テーマは自由で、自分が好きなこと。
たとえば、
「長崎の化石」「二足歩行のロボットを作る」「FK(フリーキック) の精度を極める」「バスケット上達術」「釣り体験記~ゼロからの挑戦」「大昔の生き物」「猫の生態」「天体望遠鏡の制作」「パスタ作り」「バット作り」「映画作り」「戦艦大和はなぜ沈んだのか」「カメの生態や生育調査」
などバラエティーに富んでいます。
そのテーマにそって、調べたり、研究したり、制作したりします。
担任以外に、一人ひとりにその分野の得意な担当教師がつき、休み時間や放課後に、相談に行ったり、アドバイスを受けたりできるシステムになっています。
担当教師が休日に、つりに付き合ったり、いっしょに化石を掘りに行ったりすることもあります。
「卒業論文集」にまとめ、「卒業論文発表会」をおこなう
それらは、文章や写真、絵、図に表わし、クラスで1冊の卒業論文集にまとめます。
そして、それをリハーサルでは5年生対象に、本番では保護者たちの前で発表します。
好きなテーマを調べ、研究し、作ったり、文章にまとめたりすることで情報処理能力や問題解決力が磨かれます。
一年間の成果をパワーポイントでプレゼンテーションすることで表現力や発信力など総合的な力が養われます。
この前、卒論研究のために、イカ釣りに行っていた子と先生が、偶然、地元にテレビ局の取材陣に出くわしました。
(なんだか仕組まれていたみたいですけど、本当に偶然です)
テレビ局の取材陣たちは、イカ女と呼ばれるキャスターが各地でイカ釣りに挑戦する長期企画の撮影のためにやってきたのです。
そこに、イカ釣りに取り組む少年と先生が・・・
「えっー?卒論でイカ釣り? これって運命的な出会い!」
ということになり、これからも番組で取り上げられることに・・・
そのイカ女のキャスターさん、来年3月の卒論発表会にも参加するとのことです。
★今日のプラスアップ1★
好きなことを通して、能力をのばす。
好きなことなら、すすんでやれます。(^.^)