▼小・中学校では、始業式の後の3日間は、「黄金の3日間」と言われます。
この3日間を含めた1週間は、その後の一年が決まるほど大切な時期です。
この1週間でつまづけば、後々まで影響が残ります。
数日後、数週間後に学級崩壊していくこともあります。
逆に、この1週間を有意義に過ごせたクラス(子ども)は、その後もうまくいけるものです。
では、この時期の過ごし方で知っておきたいことをご紹介しましょう。
教師もこの1週間のために準備している
▼一流の教師はこの1週間がどれだけ大切なものか、よく知っていますから、春休みに入念に準備をします。
学級の運営方針・目標・組織などを盛り込んだ、細かい学級経営案を書き、教室環境を整えます。
そして、子どもを待ちます。
そして、この1週間に力を注ぎます。
▼指導することは、おもに次のようなことです。
1、クラスの組織とルールの確立
(クラスの目標・約束事・係りなど)
2、生活のルールの確立
(返事の仕方・持ち物への記名・給食のルールなど)
3、学習のルールの確立
(教科書・ノートの使い方・宿題など)
▼すでに、もう「黄金の3日間」を過ぎた学校もあると思います。
であれば、今日からがんばれば大丈夫です。
4月は基本的にこの3日間で指導したことが何度も反復されます。
その上に立って学校生活は進展していきます。
こういう指導に素直に対応できる子は、必ず成長します。ぐんぐん成長していきます。
親としてどう対処していけばよいか
▼では、親としては、この4月、どう対処していけばよいでしょう。
大切なことを1つあげます。
それは、
子ども同様に、親自身も素直な気持ちでこの4月を過ごす。
ということです。
それを行動で示すのです。
▼具体的にあげますと・・・たとえば、
〇学校から出される学校新聞・学級通信・お知らせなどによく目を通すということ。
〇授業参観、オリエンテーション、クラスの集まりなどがあればできるだけ参加すること。
〇そうして、学校や学級の教育方針を知り、親自身が対応できるようにすることです。
全部、当たり前のことですね。
つまり素直な気持ちで、当たり前のことをすればいいのです。
★今日のプラスアップ1★
親も素直な心でスタートする
学級担任を好きになるといいのはなぜ?
▼さらにあげますと・・・
〇新しい学級担任を子どもとともに早く好きになること。
これは大事です。
小学校の場合、下の学年ほど、学級担任が子どもに与える影響はとても大きいのです。
▼学校では、1日7時間~8時間、それ以上を教師と子どもはともに過ごします。
いっしょに勉強したり、遊んだり、給食を食べたり・・・。
この年齢の子どもにとって、親(特に父親)と過ごす時間よりも、教師と過ごす時間が多くなるのは珍しいことではありません。
▼学校で習う学習内容も生活ルールも、そのほとんどが先生の言動(言葉と模範)によって子どもに伝えられます。
ですから、子どもに与える影響力は非常に大きいのです。
▼子どもにとって幸せなのは、自分が好きな先生、尊敬できる先生に教えてもらえることでしょう。
好きな先生、尊敬できる先生の教科なら、やる気がでる。
楽しくて勉強もわかる。
もっとその教科が好きになる。
ということは、よくあるのです。
▼ただ、教師も人間ですから、長所もあるのですが、短所もあるはずです。
また、ある子どもとは合わないということもあるでしょう。
▼親としては、もしも子どもが担任の教師を不適切な指導をする人で
一時的にでも嫌いになったとしたら、どうすればいいのでしょうか。
もちろん先生に短所があれば、改善していただくことも必要です。
でも、簡単には改善できないこともあります。
その結果、一年間嫌いのままであれば、かわいそうなのは、子どもです。
ほぼ間違いなく伸び悩みます。
▼できれば、教えてくれる人を好きになった方がいいのです。
そのための1つの方法は、
まず親自身が、その先生のいいところを見つけることです。
そして、
それを子どもにどんどん伝えることです。
小さなこと、当たり前のことで構いません。
担任の先生の良いところを親の言葉ではっきりと認識させてやるのです。
▼これから出会うどの先生にも、短所だけでなく長所も見つけることができれば、どの先生からも多くの学び、子どもはどんどん成長できます。
★今日のプラスアップ1★
教師のいいところを見つけよう。
子どもが先生を好きになれます。
関連して 子どもを伸ばすいい言葉
★「いい先生ね」★
あなたの先生、「いい先生ね」
○○してくれてて、「いい先生ね」
ちゃんと教えてくれて、「いい先生ね」
「いい先生」だと思えば、子どもは伸びます。
あなたの先生、「いい先生ね」
叱ってくれて、「いい先生ね」
ほめてくれて、「いい先生ね」
「いい先生」だと思えば、子どもは伸びます。
保護者向けのオリエンテーションに参加する
▼4月には、新しい情報がドッと学校から家庭に伝達されます。
保護者向けのオリエンテーションの時間をわざわざ取っている学校も多いと思います。
私が勤めていた学校でも、4月の中旬に日曜日の授業参観をしていました。
授業参観が終わると、学級オリエンテーション。(懇談会)
そのときに、学級担任として、
1.現在のクラスの子どもたちの様子
2.今後、どのような方針でこのクラスを運営していくか
などを保護者に説明しました。
この時期の学級オリエンテーションには、ほぼ100%の親が参加していました。
▼学級オリエンテーションで話したことは、抜粋して、次の日に学級通信でお知らせしました。
当日渡さなかったのは、メモをとりながら話をよく聞いていただきたかったからです。
次の日に渡したのは、大事なことを再確認していただきたかったからです。
▼以下は、これは4月22日に発行した小学1年生の保護者への学級通信の一部です。
新学年オリエンテーション(抜粋)
1.これまでのクラスの様子
・入学以来、大過なく無事に過ごしています。(これまで全員無遅刻・無欠席)
・元気で明るい子どもたちです。
・指導したことが、この時期の子どもにしては、しっかり身についてきています。
2.学級経営方針及び重点目標から
(1)勉強がわかって楽しくなるように基礎・基本を大切にしたいと思います。
「読み」読書日記を5月から始める予定です。
社会で普通に使われている漢字は提示することがあります。(石井方式)
「書き」今、鉛筆の正しい持ち方を身につけるチャンスです。
「やり直し」ができる子どもになるように意識的に指導しています。
「計算」6月から、ほぼ毎日宿題を出します。
12月までに1年生の算数を一通り終え、3学期はその復習をしつつ2年生の単元に入ります。
(2)クラスが明るく、思いやりのあるものになるようにと考えています。
「はい」「ありがとう」「ごめんなさい」が言えるように。
「ありがとう」と言われる子に・・・
友達に「よかったね」が言える子に・・・
家庭でも、お祈りをされるようにと願っています。
(3)元気に学校生活を送れるように配慮していきたいと考えています。
雨でなければ昼休みは、外遊びをさせます。
病気(虫歯)の治療は、早目にお願いします。
以上、「1年1組学級通信 ホセマリア20 NO.12」より(1997年4月22日発行)
▼初めての学級オリエンテーションでは、学級担任がどういう人か、どんな教育方針かを知る、最高のチャンスです。
子どもたちのことで大切な情報を共有できるめったにない場です。
子どもの話で不明だったことも、わかってきますし、質問もできます。
もしそのような機会があれば、ぜひ、参加するようにされたらよいと思いますよ。
★今日のプラスアップ1★
学級オリエンテーションに参加しよう。
大切な情報を得ることができます。