しつけは女の子の重要な学び
男の子の場合は「きちんと……しなさい」が多くなると、親子ともどもイライラする原因になるのですが、女の子は言って聞かせればたいていやります。
「箸はきちんと持って」「あいさつは相手の目をみて」「脱いだものはきちんとたたんで」「勉強中は正しい姿勢で」など、いちいち厳しく言って構いません。
言われたことを守っているうちに、だんだんと言われなくても主体的にできるようになってくるのが女の子です。
きちんとしつけられた女の子は、学校や社会、どこに行っても得です。
その立ち居振る舞いは、人に好まれ、かわいい女の子をよりかわいく美しくします。
さて、そのしつけが勉強とどう関係するのかと思うかもしれません。
実は大いに関係します。
行儀の良いふるまいをしようとする女の子は、頭がだんだん良くなるのです。
行儀の良いふるまいをするには、その場の状況を把握し、まわりの人のことを考え、その場に応じた行動ができなくてはなりません。
そのため観察力が磨かれ、的確な状況判断ができるようになっていきます。
これらの能力は、学校で勉強するときにも役立つのは言うまでありません。
また、将来、社会人として仕事につくときにも重要な要素です。
逆に行儀の良い振る舞いのできない女性は、一般のきちんとした企業からはまず必要とされないでしょう。
さて、しつけで大事なものは三つです。
これは、京都大学出身の哲学者で、教育学者でもあった森信三先生が提唱されて以来、半世紀以上も継承されてきた基本中の基本です。
その三つとは、
一、あいさつができる。
二、「ハイ」とはっきり返事ができる。
三、ハキモノを脱いだら必ずそろえ、席を立ったら必ずイスを入れられる。
ということです。
森信三先生は、これらをしつければ、他のことも難なくできるようになると論じられました。
その主張は、多くの教師に受け入れられ、広がり、根強く支持されています。
実は、このしつけ三原則は、幼児や小学生のためだけのものではありません。
学校を出て、社会人になっても、多くの企業では同じようなことを研修で新入社員にしつけています。
「あいさつ」「返事」「後片付け」は、社会人としてよい人間関係を築き、よい仕事をしていく上でも基本中の基本です。
これらの基本的な習慣をしっかり身につけている人は、それだけで職場によい雰囲気を作り、仕事の成果に貢献しているのです。
また、仕事上のスキルを高め、成功を勝ち得る基盤となる習慣なのです。
これらのよき習慣をできるだけ小さい子どものうちから身につけさせましょう。
良い習慣を身につけさせる。