話を聞かない男の子もちょっとしたコツで聞くようになる
コミュニケーション力は良好な人間関係にたいせつ
「うちの子、話を聞いていないみたい……」「先生や友だちとちゃんとコミュニケーションがとれるかしら?」
そんな心配がおありではないでしょうか?
社会では、ますますコミュニケーション力の高い人材がもとめられています。
仕事をするときには、他人と情報を伝達し合い、理解し合うスキルがどの職種でも必要になります。
人の話をきちんと聞いて相手の気持ちや言い分を理解した上で、自分の考えもわかりやすく伝えて理解してもらう。
このようなスキルは良好な人間関係を築く上でもたいせつです。
どうして男の子は話を聞かないの?
ところが、男の子にはコミュニケーションを苦手としている子が多いのです。
まず、人の話を聞くことについては、一般に女の子は人の話を聞くことは得意ですが、男の子は苦手です。
学校で教師が小さな静かな声で話しても、女の子は集中して聞くことができますが、男の子はすぐに集中力を欠いてしまいます。
自分の興味のない話が長く続くと、女の子は黙って聞くことができても、男の子は退屈してすぐにソワソワし、気を散らしてしまいます。
家庭でも、そのようなことがありませんか。
親が同じように話しても、女の子はしっかり聞いているのに、男の子は聞いているのか聞いていないのか、よくわからない。
「ごはんよー」と呼びかけて、女の子は「はーい」とすぐに反応をしますが、男の子は遊びに熱中して聞こえていない。
親御さんたちの話を聞いていると、そんなことがよくあるようです。
そうなるのは、一般的に生まれつき女の子の聴力がすぐれているから、また同年齢であれば理解できる語彙は女の子のほうが豊かだからという理由もあるでしょう。
それに女の子は話をする人の表情にも敏感で、その気持ちを読み取ることも上手です。
でも、ちょっとした工夫をすれば男の子も話を聞くようになります。
男の子に話を聞かせるには……
話を聞かない男の子にも話を聞かせる方法を、いくつか紹介します。
男の子に話を聞かせるためには、まず注意をひきつけなくてはなりません。
まず目をこちらに向かせることです。
そうでなければ、男の子は聞いていないと思ったほうがいいでしょう。
男の子の場合、窓の外に鳥が飛んでいるとか、廊下で物音がするなど、何かおもしろそうなことですぐに気を散らし、視線を泳がせてしまいます。
そういうときは、まずその子は話を上の空で聞き流していると思ってよいでしょう。
また、頭の上から話しても、男の子の場合、メッセージは素通りしてしまうことがほとんどです。
ですから、学校では、大事なことをどうしても伝えたいときは、「おへそをこちらに向かせる」「話は目で聞く」を徹底させます。
家庭でも、大事なことを1対1で話すときは、まず目を親に向けさせてください。
「○○ちゃん」と穏やかに名前を呼び、注意を向けさせ、腰を落として子どもと目と目を合わせて話します。
大事なことは、10秒あればしっかり伝わります。
叱るときも、この方法が効果的です。
たとえば、人に迷惑をかけているときは、すぐにその場で叱ったほうがよいですね。
でも、親が怒っていれば、なおさらメッセージが伝わらない場合があります。
そういうときは、深呼吸を二、三度しましょう。気分がだんだん落ち着いてきます。
また、子どもに言葉を伝えるとき、場合によっては、子どもの手を握ったり、肩を抱いたりしながら、伝えてもいいと思います。
いつものニコニコではなく、怖い顔、低い声で言えば、男の子もいまは叱られる場面なんだと理解できます。
そして、子どもと視線を合わせて、ビシッと短い言葉で。
スキンシップがあるので、子どもはあたたかさを感じながら、親の言葉を受けとめるでしょう。
視線を合わせて会話する。