勉強しなくても女の子は幸せになれる?
「女の子は、まあ勉強ができなくても……」
という考えが、長い封建時代のなごりか、日本にもまだいくらか残っています。
女性は子どもを産み、育て、家庭を守る役割があって、男性のように競争社会で勝ち抜く知識も技能も必要ないという古い考えがまだあるのです。
確かに良い結婚をして幸せになるという願望は女性に強く、子どもを産むことは女性にしかできない大切な特権です。
しかし、子どもを育て、家庭を守るのは、夫婦両方で協力しておこなっていくことだという意識にだんだん変わってきています。
また、結婚をしても、現実には経済的な理由から、夫の稼ぎだけで主婦業と子育てに専念できる女性は少なくなってきました。
皆さんのお子さんが大人となる十年後、二十年後は、女性も自立して社会で働いていくことがますます求められるでしょう。
女性の社会進出や機会均等は少しずつ進み、女の子も高校から大学に進学するのが当たり前の時代になってきています。
いま大学生の半分は女の子、特に文学部の6割は女の子です。
そんな時代に生きる皆さんのお子さんも、もちろん勉強が必要です。
学校の成績が良かった人がすべて幸せになれると私は考えていませんが、広い意味での「学び」は、学生のときだけではなく、社会に出てからもしていくものです。
どの分野に進んでも、専門的な知識や技能の勉強が必要です。
専業主婦になるにしても、家事を上手にやるために学んでいくことは必要です。
子育てにおいても、自ら学んでいるお母さんとそうでないお母さんは、子どもに与える影響が全然変わってきます。
ですから、学ぶことが好きで、学ぶことが習慣になっている人は、いろいろな面において、大いに有利です。
仕事上の困難があっても、人生の困難に直面しても、学んで得た知識や技能が役立てられます。
どこにあっても、自分の能力を伸ばして成長し、夢を実現し、社会や家庭の中で役立つ人になっていけます。
そして、人を幸せにし、自らも喜びと幸せを味わえる人になっていけるのです。
このような勉強好きの習慣は、いつ身につければいいのでしょうか。
いまです。
いま小学生のうちからコツコツと自分で勉強をする習慣がつけば、中学生、高校生、大学生、社会人になっても役立つのです。
勉強は将来のためになると教える。