ゲームは、とても楽しいものです。子どもをカンタンに夢中にさせてしまいます。
テレビゲームが出てきたのは、1980年代ですが、コンピューターの普及と共に、今や子どもの家庭での遊びの中心になるというくらい広がりました。
その結果、コンピュータゲームにひたっている子どもの傾向として、いろいろな問題が指摘されるようになってきました。
- 目が悪くなる。
- 外で遊ばなくなる。
- ダラダラと時間を費やす。
- 勉強や手伝いをさぼるようになる、など。
このようなことは、実際目に見えて気づくことです。
さらには、子どもたちの脳にも影響を与えていることがわかってきました。
日本大学教授の森昭雄博士は、脳神経科学分野におけるご自身の研究成果から、ゲームをやり過ぎて形成された「ゲーム脳」が十代のすぐに「キレる」気質と関係深いという次のような指摘をされています。
「驚くことに、テレビゲームの中には、前頭前野の脳活動をあきらかに劇的に低下させるものが多いことがわかったのです。このままこれを放置していると、テレビゲームに熱中しすぎる子どもたちは、キレやすく、注意散漫で、創造性を養えないまま大人になってしまうと思われます。さらに、若年性痴呆状態を加速する可能性が高くなるのではないかと危惧しています」 (森昭雄著『ゲーム脳の恐怖』)
また、ゲームの仮想世界と現実のギャップが子どもに与える影響も心配です。
子どもは、たいした努力もなしに機械の映し出す仮想世界を冒険したり、痛みも苦しみも実感することなく画面上の敵と殴り合い殺しあいをしたりしてします。
そのため、現実の世界では自ら努力して困難を克服する姿勢に欠けていたり、相手の気持ちを考えながらうまく対人関係を築けられなかったりする可能性もあるのです。
子どもがゲームをしているとき、子どもの方は楽しくて夢中になりますが、親の方が子どもへの悪影響を考えてイライラしていることが多くなります。
「ゲームばっかりしないで、勉強しなさい」と叱っても、ゲームにひたっている子どもが素直に従うことはなかなかできません。
でも、実は子どもも他に面白くためになるものをさがしているのかもしれません。
子どもが夢中になれる他のものとは何でしょうか。
それを見つけるのは、子どもにとっても、親にとっても手間隙がかかる作業です。
本の読み聞かせをしてあげたり、山や川に出かけて自然とふれあったり、スポーツをしたり、いろいろなことを体験させることが大切です。
そうした体験を通して、子どもが読書の喜びを知ったり、自然とふれあう喜びを味わったり、スポーツをする楽しみを見つけたりできればいいですね。
その方が健康的で、子どもの将来の幸福につながるのでないでしょうか。
手間隙がかかったり、苦労をして手にしたものの方が価値が高く、大きな喜びをもたらすものです。
ゲームに変わる楽しみを見つけさせよう。