効果的な叱り方のヒント

叱って効果があるのは、何かをやめさせたいとき

「叱る」ことがすなわち「しつけ」だと思っている人がいますが、それは違います。
「叱る」とは、「しつけ」の一つの手段に過ぎません。

「しつけ」は、子どもがやがて一人での社会生活を送れるように育てていくことです。
 子どもを自立した人間にしつけるためには、子どもにやらせたいこと、続けさせたいことはほめて、その能力を伸ばしてやるべきです。

子どもにやらせたいものとしては、一般に、自分で食べたり、着替えたり、あいさつをしたり、かたづけしたりするなどの生活習慣があるでしょう。

それらの生活習慣をしっかりしつけるためには、次ようなステップをとります。

1.親が模範になる
2.いっしょにする
3.手伝ってやる
4.やらせる
5.ほめる

では、どんなことに対して叱るべきでしょうか。
叱って効果あるのは、子どもの言動のうち、やめさせたいことに対してです。
たとえば、

・危険なことをする
・公共の場で騒ぐ
・人に害を与える など

このようなことすれば、すぐにその場で叱ってやめさせた方がよいのです。

たとえば、子どもがストーブの火を手でさわろうとしていたら、すぐに「ダメ!」と言って叱ってやめさせます。
そして、その後でどうしてダメなのかを説明してやるのです。

ムダな叱り方をしている人は、子どもにやらせたいことに対しても叱ってしまいます。

たとえば、朝起きてボーッしている子どもに着替えさせたいときに、「グズグズしないの!早く、早く!」と叱っても、恐らく効果は期待できません。
子どもによっては、グズグズって何のことか、そのグズグズをしないで、かわりに何をすればよいのか分からないでキョトンとしています。

あるいは、お母さんが何やら怒っているみたいだから、しぶしぶ動き出すかもしれませんが、子どもの自主性が育っているわけではなりません。
ボーッとしている子どもに着替えをさせたいときは、子どもが自分でできるような言葉かけが必要です。

たとえば、「パジャマを着替えよう。上着のボタン自分ではずせるかな?」と言って今何をすればいいか教えてあげます。
そして自分ではずせたら、ほめてあげればよいのです。

★やめさせたいときにその場で叱ろう