男女別学には、良さ(メリット)があります。
それについては、拙著『男女別学で子どもは伸びる!』(学研パブリッシング)にも書いてきました。
はじめにお断りしておきますが、私は男女共学に反対するのではありません。
私自身は、小学校から大学まで男女共学の学校で学んできました。
男女共学の教育は、私自身が特に不満をもったことはありません。
経験的にも、男女共学にはよいところはたくさんあることは知っています。
また素晴らしい共学校があることも知っています。
ただ男女別学の良さも知っている者としては、
「共学は結構。でも男女別学もいいですよ。むしろ男女別学の方が、子どもによっては教育効果は高くなるんですよ」
というのがお伝えしたいことなのです。
男子だけ、女子だけって、不自然?
私は、大学卒業後、23年間、私立小中一貫の男女別学校のことで教えていました。
「小学校で男子校って珍しいですね」
とこれまで何度言われたか、わかりません。
「はい、小学校は日本に2万2千校以上ありますが、そのうち男子校は、現在、日本に3つしかありません。そのうちの1つです」
と答えると、
「エッ、3つだけ?」と相手はたいてい驚きます。
3校のうちの2つの名をあげれば、首都圏の人ならたいていは知っています。
伝統もあり、人気もある名門小学校です。
私が勤めていた学校は小学校から現在は高校まである男女別学校(女子は中学校まで)ですが、長崎という地方に、私が大学生のときにできた小さな学校です。
私もそうですが、地方では、ほとんど住民が男女共学の公立校出身です。だから、ときどき尋ねられたものです。
「なぜ男子と女子を分けて教育するような不自然なことをするのですか?」
男女別学の良さを簡単に言うと・・・
その度に答えました。
「男子と女子がともにいるのは自然ですが、教育の面ではそれぞれの特性に応じて教えた方がむしろ自然で効果的なのですよ。
なぜなら、男子と女子は生まれつき体が違うように、脳の働きも、発達段階も異なります。興味関心も違います。
その違いを考慮せずに同じように教えると無理が生じます。
中学生になると体育の授業などで男女を分けるのが自然なように、他の教科も別々の教室に分けた方がスムーズに学習できます。
そして、教育効果が高いのです。
同じ学習内容を教えるにしても、男子にあったやり方、女子にあったやり方で教え育てると、それぞれの良さを伸ばすことができるんです」
これを読んで、「へー、どんなふうに違うんですか?」「教育効果が高いって本当ですか?」「それぞれにあったやり方ってどんなのですか?」など、もっと詳しく知りたいと思う人は、次を読んでください。
男女別学の利点をまとめておくと・・・
最初に、簡単にまとめておきます。
1男女の特性に応じた教育ができる
2男女の異なる発達段階に対応した指導がしやすい
3異性の目を気にしないで、伸び伸びと学習に集中しやすい
4女子はリーダーシップを発揮できる
5男子は女子まかせにしないで掃除もできる
6一生つきあえる友だちに多く出会える
7教師がサポートしやすく模範になりやすい
8結果的に学力は向上する