女の子は理数系に弱いと、親も子も思いがちです。
しかし、そんなことはありません。
1つのデータを示しましょう。
ある女子小・中学校の算数の成績
2007年より日本全国の小中学校の最高学年(小学6年生、中学3年生)全員を対象として全国学力・学習状況調査が行われるようになりました。
一般に「全国学力テスト」と呼ばれています。
テストは国語、算数の2教科で、それぞれの知識力を問うAと知識応用力を問うBに分かれています。
その結果は、男女別に公表されたことはありません。
そこで、ご参考までに、私が勤めていた精道学園の長崎精道小中学校(女子校)のテスト結果を公表します。
▼小6算数A
全国平均 78.8
私学平均 89.2
女子校小 90.3 (全国平均より12点良い)
▼小6算数B
全国平均 55.0
私学平均 62.4
女子校小 60.7 (全国平均より5点良い)
▼中3数学A
全国平均 63.4
私学平均 78.1
女子校中 86.7 (全国平均より23点良い)
▼中3数学B
全国平均 57.6
私学平均 73.2
女子校中 82.2 (全国平均より24点良い)
データから考察できること
女子校小とは、長崎精道小学校、女子校中とは、長崎精道中学校のこと。
データは、2009年4月におこなわれた全国学力テストの結果です。
同校は私学ですが、長崎県という公立志向の強い地方にあり、入学志願者のほぼ全員を受け入れている1学年1クラスの学校で、首都圏や関西地区にあるようなエリートだけの進学校ではありません。
公立校とは入学試験があることや授業時数が違うために、一概には比べられませんが、次のようなことが見て取れます。
◆女子はとかく算数や数学に苦手意識をもつ子が多いのですが、女子校小の算数は、ABを合わせると、私学平均とあまり変わりません。
◆女子校中の数学は、ABを合わせると18.6点、私学平均を大きく上回っています。
◆これは、算数や数学が不得意だとされる女子でも、女子だけのクラスで、女子に理解できるように指導すれば、成績は上がるということを示していると思えます。
気持ちが挫けないように励ます
長崎精道小・中学校のF副校長にその秘訣を聞きました。
F副校長は、公立中学校で数年間、男子校で算数を1年間、女子校で25年間以上、いまも数学を教えていらっしゃいます。
算数・数学指導のベテランです。
F副校長によると、女子は計算問題などはコツコツ真面目に取り組むのですが、理数系の教科が弱いという思い込みが親子ともにあるので、
難しい問題がでるとすぐに「わたしはできない」とあきらめる傾向があるそうです。
そういう女子には特別な勉強法よりも、気持ちが挫けないように励ますことが大事だとのこと。
「あなたたちは、できるんだから」
「女の子だからと言って、できないことはない」
と励まし続けているそうです。
★今日のプラスアップ1★
「あなたもできる」と励まし続ける。
女子も算数・数学はできます。 (^.^)
【取材協力】
長崎精道小・中学校 http://www.nagasaki-seido.ed.jp/