子育ての悩みのメールをご紹介したところ、幼児教室を開いたいた方からアドバイスをいただきました。
長ーいメールです。でも、とても役立つ良いことが書いてあるのでご紹介します。
ゆっくり読む時間がない方のために、後の方に私が要旨をまとめてみました。■の部分です。
幼児教室の元先生からアドバイス
中井先生
お久しぶりです。と言いましてもお会いした事はありませんが、以前コメントを何度か寄せた菜の花と申します。15才から2歳の3児の母で今は主婦をしています。
メルマガ、いつも楽しく拝見させて頂いております。
「子どもに怒鳴り散らしている毎日」という相談を読んで、私なりに思った事を書いてみようと思い筆を取りました。
その方のメールでは詳しい状況がわかりませんし、中井先生が良いアドバイスをしていらっしゃるので、私が何か言うのもおこがましい気がするし、結果的には同じことを書いてしまうような気もするのですが、
私は以前、幼児教室を開いていました。
その時、同じような悩みを持った方が何人かおられたので、その時の事を少し思い出しました。
幼児さんというのは本当に突拍子もない事を始めてしまいます。
お風呂に入れて湯冷めしないうちに着替えさせたいと思うのに裸のまま走りまわり、お母さんが服を持って追いかけるのをキャーキャーと喜んで走って逃げたり、書いてはいけない場所、壁とかテレビにマジックで落書きしたり、大人しいなと思ったら洗剤をぶちまけていたり、はっと気が付くと一緒に遊んでいる子に砂をかけたり、殴っていたり、お母さんから見たら困る事ばかりです。
ところで、モンテッソーリという有名な医者であり、幼児教育者はこういう風に考えていました。
子どもがする行動は全て意味があり、それは神様から与えられた宿題をしているからだ、と。
こういう風に書くと少しわかりにくいのですが、モンテッソーリは観察する、という事をとても大切にしました。
親は子どもをそういう風に観察する訓練を受けているわけではないので、初めからするのは難しいと思われるかもしれませんが、考えてみると、とても当たり前の事です。
(中略)
幼児期の子どもは五感を磨いています。
敏感期を通して、色々な事を学ぼうとしています。
私達大人は自分がどんな風にして物の感触を学んだか覚えているでしょうか。
遠くから見ただけでその素材の感触が触らなくてもわかると大人は考えています。
でも本当に触らなくても感触がわかるでしょうか?
砂にしてもセメントにしても、地面にしても、全て以前触った事があるから体が覚えているのです。
幼児期というのはそういう時期です。
子どものする全ての事には意味があります。
もし洋服を着ないで走り回っている子どもがいたら、きっと追いかけっこをしたいのです。
だから私なら、「服を着ないと風邪を引くから服を着てから追いかけっこして遊ぼうよ」と言います。
お母さんは忙しいけれど、子どもが今、それがしたい、それをして楽しいというのを見つけたら時間を割いて付き合ってあげるのがいいと思います。
砂などの細かい物を入れてはいけない場所に入れてしまう時も、叱るのではなく、その子が今、手の学習をしているのだと考えて、安全な場所に、同じ事が出来る環境を作ってあげます。
そういう敏感期の子を砂場に口の狭い瓶を持っていき、スプーンを渡すと、いつまでも集中してその作業をしたりします。
描く事に興味を持っていたら、勿論壁に描いてしまうのは止めなければなりませんが、大きな模造紙やクレヨンなどを与えて思い切り描かせてあげるのがいいと思います。
子どもはそうやって、「やってみたい」と思って、「やってみて」そして何度も何度もやって「ああ、こういう事だったのか」と学ぶのです。
以前、娘が5歳位の時、紐を結ぶのが好きになり、細い紐をいくつも切って渡すと、階段の手すりに100本くらいの紐を結んだ時もありました。玉ねぎの薄皮を50個分くらい剥いた時もありました。
それは最初からそうだったのではなく、初めは結んではいけないものを結んだり、剥がしてはいけない物をはがした事がきっかけでした。
そうやって学習するだけでなく、満足感も、集中力も養えます。
子どもの喧嘩についてですが、よく日本では子どもの喧嘩は、特に小さい子は親がついているので、乱暴する子は止められ、謝らされています。
でもよく見ていると分かりますが、特に3歳前の子は、物を貸しあうとか、譲り合うという感覚がありません。自分の持っている物が自分の物なのです。だから取られたら怒って相手の子をぶったりします。
しかし、3歳までの暴力は素手である限り、相手に重症を負わせる事はありません。むしろ、そういう喧嘩を通して、いずれ大きくなってからの「手加減」を学ぶと思っています。
幼児期に喧嘩ばかりするから、大きくなっても喧嘩好きになると思うかもしれませんが、もしかしたらその逆であるかもしれません。自分が痛い思いをすると、人の痛みもわかるようになるからです。
それから、私個人的な意見なのですが、テレビは幼児さんにはあまり見せない方がいいと思います。子どもの歌番組など、子ども達は好きで、それを見ているとお母さんは家事も出来て便利なので、つい見せてしまいます。
でももし許容出来るのであれば、家事を一緒に手伝ってもらったり、別のブロックなどの玩具で遊ばせたり、音楽ならテープやCDで聞かせてあげ、お母さんも一緒に踊ってあげたり、という方がいいと思います。
外遊びも大好きなので、公園に連れて行って、汚れてもいい格好で思い切り遊ばせてあげると帰ってきて疲れて寝たりしますね。
夜は寝る前に本を読む習慣を作るといいと思います。
娘には1歳になってから中学1年まで毎晩読んであげました。
息子13歳には今でも読んでいます。本を読むのは本を好きになって欲しいからではなくて、その時間、同じ本を楽しむ時間を共有出来るからだと思います。
小さい時は同じ本を何度も何度も読んで欲しがりますが、時間が許す時は何度も読んであげ、時間がない時は今、○○をしなくちゃいけないから読めないときちんと説明して、その代わりにきちんと抱きしめてあげます。
小さい子だから説明してもわからないと思わず、本気で、本当の心で説明してあげます。
そして、もちろん、中井先生がおっしゃっていた子どもの良い所を探す、というのはとても大切な事だと思います。
「まだ出来ない」ではなく、「これが出来るようになった」と感動する気持ちがあるといいと思います。
以前、小学校6年生で九九を覚えてない子に会った事があります。その子が九九を覚えられた時は2人でとても喜びました。
やれていない事には親は多少目をつぶった方がいい時もあると思います。
成長して当たり前と思うと、例えば「3歳になったのに、○も出来ない」と思います。
でも敏感期の訪れ方はその子によって違います。本の通りには成長しないし、十人十色です。
お母さんだって完璧な主婦、母親像を求められたら苦しくなるのと同じです。お姑さんとか、ご主人の兄弟から批判されたりしたら嫌な気持ちになる事をちょっと思い出してみるといいかもしれません。
また、一生懸命作った初めて挑戦した料理をご主人にけなされたら「二度と作らない」と傷つくでしょう。子どもも同じです。
大切なのは他人と比べないことです。
自分の子を信じてあげましょう。
長くなってしまい申し訳ありませんでした。
読み辛かった点、誤字などありましたらお許し下さい。
菜の花
まとめと感想です
▼菜の花さん、ありがとうございます。
さすが幼児教室の先生だった方ですね。
私は基本的にすべて賛成です。
こういうベテランのお母さんが近くにいらっしゃたら、若いお母さんは自分の悩みを気軽に相談できるかもしれせんね。
▼では、以下に要旨をまとめてみます。
■幼児は突拍子もない行動をおこすものだと理解する。
■幼児の行動にはすべて意味がある。(神様からの宿題)
■敏感期にある幼児は、その行動によって特に五感を磨いている。
■また様々な行動や経験から、学習をし、能力を高めている。
■喧嘩によっても、人の痛みや「手加減」を学べる。
■テレビよりも、玩具や音楽、いっしょに遊ぶ方がいい。
■読書(読み聞かせ)の習慣をつくる。
■「これが出来るようになった」と認め、感謝する。
■人と比較をしてけなさない。(信じる)
▼私が特にいいな、と思ったところはこれです。
お母さんだって完璧な主婦、母親像を求められたら苦しくなるのと同じです。お姑さんとか、ご主人の兄弟から批判されたりしたら嫌な気持ちになる事をちょっと思い出してみるといいかもしれません。
また、一生懸命作った初めて挑戦した料理をご主人にけなされたら「二度と作らない」と傷つくでしょう。子どもも同じです。
▼お母さんも、人から誉められるとうれしいでしょう。
「わっ、今日の料理、おいしい!」
と言われた方が「作ってよかった」と思うでしょう。
「さすが!じょうずだね」
「ごちさそうさま、おいしかったよ」
と言われると「また作ってみよう」とやる気がでますよね。
子どもも同じです。
長い記事を読んでいただきありがとうございました。(^.^)