子どもは俳句が好き
私は小学1年生にも俳句を教えていました。
はじめは、黒板にひとつの俳句を選んで書きます。もちろん漢字交じりです。
春風や 闘志いだきて 丘に立つ 高浜虚子
私が音読したあと、子どもたちにも音読させ、意味も教えます。
俳句とは、五、七、五の音の計十七音でできている世界一短い詩であること。約束事は、季節を表す言葉(季語)があることも教えます。
「いま読んだ俳句の季語は何ですか?」
そう聞くと、たいていの子は「春風」と答えられます。
その俳句は、カードに書いて1週間は黒板に貼っておき、毎日、朝の会のときに音読させました。
すると、ほとんど子が、その俳句を暗唱できるようになります。
いっしょに俳句をつくろう
家庭でも、こういうことはできるでしょう。
親がつくった俳句カードまたは学習教材で市販されている俳句のカードなどを使って、一日に一句ずつ、親子で音読し、しばらく勉強部屋や居間の壁に貼っておいてはいかがでしょうか。
自分で何度も見て、その俳句を味わうことができると思います。
自分で俳句をつくるのも、1年生にはむずかしいことではありません。
ただし、はじめは有名な俳句のマネをさせるのです。
たとえば、
春風や 闘志いだきて ○○○○○
と、○○○○○のところを自分で考えてつくってみようと言って、発表させます。
すると、いろいろ出てきます。
たとえば、
春風や 闘志いだきて さっかーだ
春風や 闘志いだきて きゅうしょくだ
春風や 闘志いだきて あそぼうね
ともかく楽しみながらつくってみて、「なんだ。自分にもつくれそうだ!」という感覚をもてればいいのです。
慣れてくると、季語をいくつかあげさせて、その季語を使ってつくらせます。
たとえば、春であれば、「はる」「うぐいす」「さくら」など子どもはよくあげます。
学校で はるにべんきょう たのしいな
うぐいすが なけばなくほど はるがくる
雪とけて あたたかくなり さくらの木
たんぽぽの 空のおさんぽ どこいくの
親子で楽しみながらいっしょに作ってみるとよいでしょう。
できた俳句は、「よくできたね」「いいね」「おもしろいね」とほめてあげます。
子どもの作品を受け付けている俳句コンクールもありますので、それに応募してみるのもいいですね。賞に入ると励みになりますよ。
子どもがつくった作品をのこそう
また、家庭でもお子さんが作った俳句を残しておいて、ファイルに閉じておいてあげるといいと思います。
こういうことは、男の子は苦手です。まずは親がやってあげましょう。
最初に親がしてあげれば、そのよさに気づいて自分でできるようになれます。
私は小学1年生の担任のとき、子どもたちがつくった俳句や詩や毎月の読書日記や生活科で書いたさまざまなカードなどをB5版のファイルに一人ひとり、閉じさせていました。
そのファイルは、1年生の終わりごろにはぎっしりとなり、その1年の成長の記録となるものです。
「この1年でこの子が成長できたのがよく実感できる」と、後々、保護者から感謝されたものです。
親といっしょにつくった「成長ファイル」は、後々、成長した子どものたいせつな思い出となり、宝物になるでしょう。
子どもが書いたものを宝物にする。