男子の育て方・勉強

親の言い方が子どものコミュニケーション力を左右する

目次

単語ばかりで伝達しようとするのは・・・

子どもが単語ばかりで伝達しようとするのは、親のマネをしている場合があります。

ですから、親も省略せずに伝えるということを意識するとよいです。

ところが、やや感情的になっているときは、誰でも切って投げつけるような言葉の厳しい言い方になりがちです。

それでは子どもは受けとめられません。

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言い方を少し変えるだけでいい

いつかレストランで食事をしているときに、となりの親子の会話が聞こえてきたのですが、

若いお母さんが4歳くらいの男の子に矢継ぎ早にこう言っていました。
「ほら、お箸! ひじ! ちゃんとしなさい」

その子は、そう言われて、お箸を動かしたり、ひじを見たりするのですが、すぐには改まりません。

その子を見て、私はこの年齢なら仕方ないなと思ったのですが、当のお母さんは、
「もう、ちゃんとしないと、今度から連れてこないからね」と、かなりご立腹な様子なのです。

子どもは、いまにも泣きそうでした。

それを見ていたお父さんが、割って入り、穏やかな声でこう言いました。
「○○ちゃん、お箸をこういうふうにもちなさい」

すると、その子はお父さんのマネをして箸を持ちかえました。
「じゃあ、今度はひじをつかないで食べなさい」

すると、その子はひじをテーブルから上げました。
「よし、それでいいよ」
お父さんはにっこり。

子どもはお母さんの顔を見て、「これでいいの?」という表情でした。

お母さんは、「○○ちゃんは、パパの言いつけはよく聞くわね。ママの言うこともちゃんと聞いてね」と言っていました。

私はこのお母さん、ちょっとカン違いしているなあと思ったものです。

読者の皆さんは、もうおわかりでしょう。
子どもがお母さんの言うことを聞けなかったのは、お母さんの言葉の使い方にあります。

お父さんは、言葉を省略せずに伝えていました。
しかも、穏やかに、動作も交えて。

ですから、子どもは受け入れることができたのです。
さらに、お父さんは「よし、それでいいよ」と笑顔で認めてあげていました。

このようなことをお母さんもしていたら、同じように子どもは反応していたと思うのです。

子どもがキャッチできる言葉にする

ある親は怒っているとき、「どうしてそんなことするの?」「ちゃんとしなきゃダメでしょ」「どこ行くの?」とやや感情的になって叱りつけます。

しかし、子どもは、どうやら怒られているのはわかるけれど、どう行動すればいいのか、よくわかりません。

子どもに指示をする場合は、具体的にどう改善すればいいのか、子ども自身がわかるように言ったほうがいいのです。

たとえば、

「どうしてそんなことするの!?」→「生き物をいじめたらダメよ」
「ちゃんとしなきゃダメでしょ!」→「椅子にすわっておこうね」
「どこ行くの!?」→「戻っておいで」

穏やかに具体的に言えば、子どもは受け入れやすいのです。

教師が授業をするときもそうですが、あいまいな言葉では、子どもはどうしていいかわからず、あるいは思い思いに解釈して、混乱します。

しかし、的確な指示があたえられれば、たいていはその通り動くものなのです。

子どもをしつけるとき、言葉を省略せずに具体的に伝えることを意識しましょう。

そういう言い方を親がしていると、子どもも人に自分のメッセージを伝えるとき、相手がわかるように配慮して言葉を選ぶ能力がついてくるようになります。

言葉を省略せずに具体的に伝える。