学力を伸ばすヒント

具体的な目標があると具体的な行動ができる

夢と目標の違い

夢と目標の違いは、何でしょうか。
水泳でオリンピック二大会二種目連覇をした北島康介選手の考えに、私は賛成です。

「目標」は「夢」に近づくための階段、だと思うんだ。ふたつの違いは、いまの自分にはできないけれどいつかそうなりたいというものが「夢」、いまの自分ががんばればできそうなことを「目標」というのかな」
北島康介著『前略、がんばっているみんなへ』(ベースボール・マガジン社)

別の言い方をすれば

  • 大きな夢を分割したものが目標
  • 漠然とした夢をより具体的にしたのが目標

とも言えるでしょう。

大きな夢はすぐにはかなわないのですが、小さく具体的な目標を一つずつ達成していけば、大きな夢が実現していくのです。

夢があるとやる気が湧いて、目標があると行動することができます。

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効果的な目標の立て方

さて、目標の立て方についてです。
目標は、がんばれば達成できる具体的なものがよいです。

たとえば、「医者になって人を助けたい」という夢をもつ子がいるとします。

そんなとき、「では、そのために何をすればいいか?」、それをいっしょに考えます。

医者になるためには、大学の医学部に入って勉強し、国家試験に受からなければなりません。

そして、大学の医学部に入るためには、学力がどれくらい必要かということを知って、その学力を身につけることを大きな目標にします。

さらにそのために、いまの自分ががんばればできそうな小さな目標を決めさせる(あるいはあたえる)のです。

小学低学年であれば、「今日は漢字を3個おぼえる」「計算プリントを1枚」というように、今日いまからでもできることを設定します。

そのうち慣れてきたら、「これはまだ早いと思うけど……」「これは少しレベルアップするけど」とむずかしい目標に切り替えてみてください。

そう言われると、「よし、やってやる!」と意欲を燃やす子が多くいます。自信がなさそうな子には、「だいじょうぶ、あなたならできるよ」と言ってあげてください。

はじめのうちは、親が決めてよいのですが、ペースがつかめるようになったら、子ども自身が目標を設定して、取り組むとよいでしょう。

やる気を持続させる秘訣

でも、最初はやる気満々だったのが、二、三日たつと、やる気がなくなってくるというのは誰にでもあることですね。

やる気を維持するには、目標達成の成果を目に見えるようにすると効果的です。

成果をビジュアル化するのです。

たとえば、小学生の場合、漢字ドリルで合格したページにシールを貼ったり、ハンコを押したり、花丸を書いてあげたりするだけで喜び、励みになります。

1週間の学習計画表をつくり、その日の各教科の目標が達成できたら、その項目を赤色で塗りつぶすだけでも効果があります。

計画表が少しずつ赤くなってくるのが目に見えるので、どれだけ成果があがっているか目に見えてわかるのです。

まだ途中であっても、やったことの成果が実感できると、やる気が維持できるのですね。

そういう習慣が身につき、成功体験を重ねていけば、中学生、高校生になっても、自分で目標を設定し、自分でやれる子になっていきます。

成功体験といっても、おおげさなことではありません。

親が「よくがんばっているね」とがんばりを認めてあげることです。

子どもは認められ、ほめられることで、より達成感が生まれます。

自分でやり遂げたという達成感が、自信となり、次への意欲となります。
ほめるときは、言葉と笑顔でじゅうぶん。たまには、手作りの表彰状などをつくってあげる

とすごく喜ぶしょう(インターネットに子ども用の表彰状を無料でつくれるサイトや100円ショップなどに表彰状カードがあるのでカンタンにできます)。

それらを通して、子どもは自分が成長していく喜び、自信をもてます。

それを親はともに喜んであげればいいのです。

成果をビジュアル化する。