「勉強しなさい」は効果がない
親は子どもに勉強してほしいと願うものです。
小学生や中学生にもなると、子どものほうもいまさら言われなくても、それはわかっています。
親からの「勉強しなさい」という小言は、多くの場合は親の期待に反してあまり効果がありません。
とくに男の子はそうです。
思春期の男の子たちの場合、一番やる気になれないときは、親から「勉強しなさい」と言われたときだと言います。
女の子の場合、やらなければならない宿題などは、けっこう真面目にやりますが、男の子はやりたがりません。
「勉強しなさい」と言わなくても、子どもがやる気になって自分から勉強するようになれば、親も教師もこんなにうれしいことはないでしょう。
しかも男の子の場合、うまくやる気に火をつければ、まわりがびっくりするくらい勉強(本人はそう思っていない?)にのめりこむことがあります。
では、どうすれば、子どもがやる気になれるのでしょうか。
夢がエネルギー源になる
男の子と女の子に共通する方法をあげてみます。
それは夢をもつということです。
私たちは夢があると、やる気になれます。辛いときもがんばることができます。
子どもの夢というと、将来、何になりたいか、という話になりますね。
「甲子園に出て、プロ野球選手になりたい」
子どもがそんな夢を語ったとき、親はどうすればいいでしょうか。
一番マズイのが、それを否定してしまうこと。
「プロのスポーツ選手になんか、一万人に一人もなれないのよ。それ、無理よ。あなた、クラスの中でもあんまりうまくないでしょ」
そんなふうに否定してしまえば、やる気をなくしてしまいます。
「それより、しっかり勉強して、いい大学入って、いい会社に入ったほうがいいのよ」
そんなことを言われても、子どもはまったくやる気になれません。
子どもにとっては、野球選手で活躍するほうがずっと魅力的で、希望がもてるし、やる気もわいてくるのです。
そんな子どものやる気を親がつぶしてしまってはいけません。
子どもの夢は、まず肯定してあげましょう。
「いいわね。野球選手になったらお母さん、応援に行くよ」
そんなふうに言ってあげたら、子どもはもっとやる気がでるのです。
大リーグ、シアトルマリナーズのイチロー選手は小さい頃からプロ野球の選手になりたいという夢をもっていました。
4歳くらいに中日ドラゴンズの試合を野球場で見て以来、野球選手にあこがれていたのです。
そんなわが子の夢を、両親はずっと応援してくれたそうです。
ですから、彼はいまもいっそう努力できる人になったのです。ちなみに勉強もがんばる子だったので、学校の成績は抜群に良かったそうです。
夢はときどき変わっていい
さて、あなたのお子さんは、いま、どんな夢をもっているのでしょうか。
たとえどんなことでも、夢をもつのは大事なことです。
夢がお子さんのやる気の源になります。
夢をもっていると、前向きに積極的に生きることができます。
ときに、子どもの夢は、よく変わります。
「野球選手になりたい」と言っていた子がしばらくすると、「宇宙飛行士になりたい」「医者になりたい」「学校の先生になりたい」と言ったりします。
でも、それでいいのです。
夢や希望をもって努力する姿はイキイキし、その瞳はキラキラ輝いてきます。
夢に向かってがんばる姿勢は、中学生くらいになって、本格的に勉強に取り組まなければならないと自覚したときに活きてきます。
そして、将来どんな職業についたとしても、必ず役に立ちます。
子どもの夢を応援する。