女の子の気持ちを重くする母親の同一視
男の子は落ち着きがなく、危険なことをしたがり、下品なことが好き。
お母さんにとって「なんでそんなことをするの?」ということばかりで、子育てを難しく感じるのは圧倒的に男の子のほうです。
女の子は自分と同じような感じ方や行動をするので、お母さんには理解しやすいようです。
しかし、わかっていても扱いにくい面があるのも現実です。
気持ちがわかっているからこそ、余計に、腹が立つということもあるようです。
よくあるのが、娘が叱られたときに生意気な口を利いてくる場合。
女の子は、口が達者で人を観察する力が豊かなので、「だって前には違うこと言ってたでしょ」「お母さんだってしてるじゃない」などと鋭い指摘をしてくることがあります。
それに対してお母さんがムカッとして、売り言葉に買い言葉で、つい感情的な言い合いになってしまうケースです。
子どもと対等になって、あれもこれもと言い過ぎて、互いに気まずくなってしまいます。
これでは、母子の良い関係がこじれます。
やはりお母さんが大人として子どもに接していく必要があるでしょう。
また、女の子は同性だから十分に分かり合えると思うのも落とし穴です。
「あなたは女だから、お母さんの気持ち、わかるでしょ?」
という思い込みで、お母さんの愚痴に付き合わされるのは、たいてい女の子です。
「もうっ、だらしない。男ってこれだからね」などと、それがお父さんへの愚痴であれば、娘はどう思うでしょう。娘の立場としては重たいものがあります。
お父さんを尊敬できなくなったり、結婚や家庭生活を悲観的に思うようになったりします。
そういう子は、勉強どころか生きることにも中途半端な気持ちをもつようになります。
ですから、子どもの前では、お父さんの悪口になるような愚痴は、極力避けたほうが賢明です。
ストレスが溜まってどうしても言いたくなった場合、子どもにではなく、誰か別の信頼できる人に聞いてもらってはいかがでしょうか。
また弟がいる場合、多くの場合、お母さんは姉に厳しく、弟に甘くなりがちです。
それが頻繁だと、女の子は「弟ばかりかわいがって、お母さんはわたしが嫌いなんだ。わたしなんか、どうでもいいんだ」などと思ってしまいます。
自分に注目してほしいために、わざと親を困らせることをすることもあります。
それを叱っても、関係がこじれるだけです。
女の子は、自分だけが特別に愛されたいという気持ちをもっています。
その気持ちを汲んで、「わたしもお母さんから好かれているんだ」と女の子の気持ちが満たされるようなことをしてあげるといいです。
たとえば、抱きしめてあげたり、話を聞いてあげたり、特別に絵本を読み聞かせてあげたりするのです。必ず効果があります。
このようなことをお伝えしているのは、女の子の気持ちを尊重することは、その子が明るく健やかに生きていく上でも、勉強する上でもとても重要だからです。
わが子の気持ちを尊重する。