徳を育てるヒント

忍耐(ガマンできたらほめよう)

忍耐(ガマンできたらほめよう)

 

人間は試練を受けると人格がみがかれて成長します。

子どもを本当に愛する親は、子どもに小さな試練を与えることを忘れません。
たとえば、普段は子どもをめいっぱい可愛がるのに、子どもが悪いことをしたとき、本気で厳しく叱ります。
それが子どもの人格の成長と将来のために必要だと判断したからです。

子どもにとって、大好きな親から叱られることは悲しく苦しい心の試練となります。
一時的に、泣いたり、喚いたり、親を嫌いだと言ったりすることもあります。

しかし、いずれ親の気持ちがわかるようになると、逆に親に感謝するようになります。
叱られることで、その子は前より成長したからです。

また、賢い親は、ときどきに子どもをよその家に行かせて、小さな試練に合わせます。
たとえば、子どもをよその家におつかいにやったり、遊びに行かせたり、泊まりに行かせたりすることは、試練となります。

昔から「可愛い子には旅をさせよ」と言われてきました。
親から離れて別の場所に行ったり、そこで生活するのは、子どもにとって自分の甘えを断ち切る試練となります。

なかなか子離れができない親自身にとっても、これは試練になります。
「旅先」では、都合のいいこと、悪いこと、いろいろなことがあるでしょう。
困ったこと、イヤなことがあっても、助けてかばってくれる親は近くにいませんから、それは子どもにとって試練になります。

自分の知恵や知識や体力、気力を総動員して、自分の力でなんとかして解決するしかありません。
その体験が子どもを成長させるのです。

親が試練を与えなくても、いずれ子どもは多くの試練に出会います。
病気、ケガ、事故、災害、裏切り、愛する人の死など、人生は試練だらけです。

親がいなくても、子どもが一人で試練に立ち向かい、挫けないで生きていけるように育てなければなりません。

決して試練に負けない忍耐力を育てるのです。

スポーツでも試練に打ち克ったあとに勝利があるように、人生でも試練の後に幸福がやってくるのです。

まず、イヤなことがあっても、ガマンできる心を育てましょう。

日常生活の中で、自分の気にいらないことやイヤなことがあっても、ガマンできたらほめてあげましょう。

その一言が小さな試練のあとの小さな幸福になります。

そうすればもっと大きな試練にも、打ち克てるたくましい忍耐力が育っていきます。

ガマンできる心を育てよう。

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