「誠実」正直に話せたらゆるす
誠実な人は、みんなから好かれ信頼されます。
逆に不誠実な人は、みんなから信頼されず、友達も少なくなります。
誠実とは、ウソをつかないことではありません。
何か悪いことしたときに、ウソをつかなくても、黙って隠していれば、それは不誠実になります。
また、一部分しか言わなくても不誠実になります。
たとえば、「この前、道で財布を拾って思わずポケットに入れた」と言っても「その後、財布から千円借りて、お菓子を買った」ということを隠せば、誠実とは言えません。
本当の誠実は、本当のことを隠さずに全部言えることです。
「それで、お菓子を買ったあと、ジュースも買って飲んで、ゲームセンターに行ったから財布の中のお金を全部使ったの。ごめんなさい」と、隠さず全部言えることが誠実です。
人は誰しも失敗や過ちをおかす存在です。
その失敗や過ちを謙虚に認め、心から悔いて話すことができる人は、結局みんなから信頼されるのです。
子どもが本当のことを告白したとき、親はどうしたらよいのでしょう。
まず、子どもの告白に驚いたり怒ったりしてはいないようにしたいものです。
誰だって、子どものとき、いや今だって失敗や過ちをしてきたのです。
「まさか、うちの子が……」とか「そんな子に育てた覚えはありません」とおっしゃる方もいらっしゃるでしょうが、子どもはロボットでも天使でもありません。
生身の人間は、弱くもろく、間違いやすい存在なのです。
そんなに弱くもろい存在なのに、あなたを信頼してありのままを打ち明けたその子を厳しく叱る必要はないのではないでしょうか。
子どもの態度から、「あっ、この子は十分反省しているな」と思えれば、すぐに許してあげることです。
「正直に言えたね。えらいよ。でも、もうしないよね」と言うぐらいでいいのです。
子どもは、本当のことを言っても、親が驚かず、しかも許してくれるのなら、これからも自分の過ちを隠さずに言うでしょう。
「もうしない」と決心していても、恐らく、子どもはまた失敗や過ちをおかすでしょう。
しかし、失敗をごまかせず、誠実に認めて、自分の弱さと戦っていける人になれれば、その失敗を通して人間的にますます成長していけます。
偉大な人は、決して失敗をしなかった人ではありません。
数々の失敗から、誠実に立ち上がることのできた人なのです。
子どもの正直な告白を怒らないで聴こう。