困った時のヒント

困った時のヒント(お手伝いをしない)

ふつう子どもは、大人のやっていることをマネしたがるものです。

お母さんがお料理をしてしていれば、自分もエプロンをしてお料理をしてみたくなります。
お父さんが大工仕事をしていれば、自分もかなづちやのこぎりを使ってみたくなるものです。

そういう気持ちをうまく汲み取ってあげれば、子どもは喜んでお手伝いをしてくれます。

しかし、子どもがまだ小さい場合、それはお手伝いにはならないことが多いのです

「じゃ、メリケン粉をかき混ぜてね」とお手伝いをさせてみて、ボールごとひっくり返したり、「このクギを打ってごらん」とさせてみて、自分の指をかなづちで打ってケガをしたりします。

実は、手伝ってもらわない方が助かる場合があるのです。
うかつに手伝ってもらうと仕事のスピードがにぶり、仕上がりも悪くなり、散らかした後の片付けなど余計な雑事が増えることが多いのです。

ですから、「あっ、今日はいいよ。いいよ」と断ったり、「あなた、もう宿題終ったの?終ってないなら早く宿題をしなさい」と言ったりします。

親がやらなくていいと言うことを、子どもは進んでする気にはなれません。
そのうち興味も失せて、自分からお手伝いをしようとは言わなくなるのです。

親の方も、自分がやった方が結果的に早いし、うまくできるから、子どもにやらせようとしません。

「お手伝いしなくていいから、勉強してちょうだい」と言われてきた子は、お手伝いを頼まれていても、「今、勉強があるから」と言って平然と断るようになるでしょう。

勉強をするのはいい点数をとり、いい学校に入って、自分がいい思いをするためではありません。将来、社会に貢献できる人間になるために、勉強するべきです。

ですから、勉強を理由にお手伝いをしない子どもが、将来立派な仕事をして社会に貢献できるようになるとは、私にはどうしても思えません。

自分から勉強を進んでできる子は、自分から進んでお手伝いもしています。
自分の家で、自分に任された仕事だという理由でやります。

彼らは、お手伝いがまわりの人のためになるとよく知っています。

お手伝いをして喜ばれ、感謝されてきました。
自分のしている小さな仕事は、家族のために役立っているし、喜ばれているという実感があるのです。

お手伝いをしてくれたら、どんなに小さなことであっても、下手であっても感謝しましょう。

「ありがとう」「助かったよ」

自分のしたことを感謝されることで、人の心には生きがい感とやる気が生まれます。

お手伝いをしてくれたら感謝しよう