効果的な叱り方のヒント

叱るとき「わたしは……」だと聞き入れやすい

叱るときに、主語を「わたしは」で始める方法があります。
これは「わたしメッセージ」と呼ばれます。

主語が「あなたは」「お前は」では、子どもによっては、「あっ、また説教されるんだな」と思い、素直に聞き入れられなくなります。

「勉強しなさい」「片付けなさい」「早くしなさい」などの小言はすべて「あなた」が主語になっているものです。
同じことを何度も言われれば、子どもの反発をまねきますし、自主性も育ちません。

「グズね」「下手ね」「ダメね」という評価も、「あなた」が主語になっています。
否定的な評価によって、子どもは自信をなくし、劣等感をもつようにもなります。

これに対し、「わたしメッセージ」は、子どもを否定的に評価せずに、親の気持ちを伝えるので、子どもは素直に聞き入れやるくなる方法です。

「わたしメッセージ」のカンタンな作り方をご紹介しましょう。
「わたしメッセージ」には、次の三つの情報が含まれます。

1.私に問題を引き起している状況。
2.私が受ける具体的な影響。
3.私がもつ感情。

たとえば、お母さん掃除をしようとしているのに、子どもが部屋いっぱいにおもちゃ
を広げて遊んでいます。

これを「ねえ、あなたは掃除しているのがわからないの?邪魔だから、早く片付けなさい」と、一方的に叱りつけてしまうとどうでしょう。

子どもは「チェッ!楽しく遊んでたのに、ママのケチ!」としぶしぶ従うか、反発をまねくことになりかねません。

これを「わたしメッセージ」で伝えてみたらどうでしょう。

 「こんなにおもちゃが散らかっていると(状況)、お母さんは、掃除ができないのよ。(影響)。こまっちゃうなあ。(感情)」

つまり、子どもを非難したり人格を否定したりせずに、現在のある「状況」が、私にある「影響」を与え、そのためにこんな「感情」になっているのだと伝えるのです。

しばらく待ち、必要であれば、「○○ちゃん、どう思う?」と子どもに聞きてみてください。

聞かなくても、「あっ、わかった。すぐ片付けるね」とか、「もう、ちょっと遊んでからでいい?後で掃除手伝つだってあげるから」とか、子どもから解決策を出してくれることがあります。

親から「ありがとう」と感謝されれば、子どもは自分の考えた解決策が状況を変え、お母さんを喜ばせたことを知り、自分の判断や行動に自信がもてるようにもなります。。

 ★わたしを主語にして叱ろう