効果的な叱り方のヒント

一人のときに叱ったほうが効果的

ほめるときは大勢の前でほめるとよいですが、叱るときには一人だけのときに叱ったほうが効果的です。

ほめられれば、ふつう子どもはうれしいものです。
みんなに知ってもらいたく思います。

学校では、コンクールや大会で賞をいただいた子どもがいれば、ふつう朝礼の時に、全校児童生徒の前で表彰をします。
そうすることで、その子どもは賞をもらったことを他の子どもたちや先生にも知られて、認められます。
「おめでとう。よくがんばったね」と言ってもらえます。
みんなの前でほめられると、その子どもは何倍もうれしくなるのです。

叱られたときは、逆です。
みんなの前で、一人だけ怒られると、何倍もイヤな気持ちになります。

自分の失敗がみんなに知られて、「なんだあいつはダメなヤツ」と思われるんじゃないいかと心配になります。

みんなの中には、心ひそかにあこがれているあの子もいます。
あいつにだけは負けたくないなと思うライバルもいます。
そういう子たちにも知られてしまい、さらには自分がダメな子だと思われてしまうのは、とてもつらいことなのです。

ご家庭では大勢の前で叱るということはないでしょうが、それでも誰かの前で叱ることはあるでしょう。
兄弟の前で叱ったり、遊びに来た友達の前で叱ったり、親戚の子の前で叱ったりすることはあるでしょう。

叱るときには、その場で叱った方が効果がありますから、ときと場合によっては、その方がよいでしょう。
でも、心の片隅にとどめておいてほしいことは、子どもはできれば自分一人のときに叱ってほしいと思っていることです。

子どもの年齢が上がれば上がるほど、他の人の目を気にするようになります。
人前で叱られるとき、他の子にどんなふうに思われたかを気にします。
悪いことをしたと反省するより、恥をかかされたと反発します。

できれば、一対一で話した方が自分の心を素直に見つめられ、ストレートに心に響きます。
そして、自分の悪かったことを認めやすいのです。
叱られて感謝できるか、恨みに思うかは、叱り方によるのです。

 ★一対一で、目を見て叱ろう。