「もう、あなたは、ほんとにダメねえ」
「何度同じことを言われてもなおらないダメな子ね」
「あなたみたいな子は、ママの子じゃないわ」
このような子どもの人格を否定するような叱り方では、子どもは決してよくなりません。
子どもの心を傷つけ、子どもを不安にさせるだけです。
子どもは言われた親から自分は愛されていない、受け入れられていないと感じます。
子どもに必要なのは、何よりも親から愛されているという実感です。
子どもが親の言うことを素直に聞けるのは、親への信頼感があるからです。
自分は愛されている、守られているという絶対的な信頼感が子どもの素直な心を育てるのです。
その根本的な愛情と信頼がぐらつくと、子どもは自分の立つ基盤がぐらつきます。
親から嫌われていると思いこみ、自分がイヤになります。
生きる喜びも、もてなくなります。
ですから、叱るときには、子どもの人格を否定するようなことを言うのは極力さけましょう。
それよりも、具体的な言動を叱るのです。
「あなたは、ほんとにダメねえ」と嘆くより、何がダメなのか、教えてあげましょう。
もしかしたら、子どもは何がダメなのかわかっていない場合があります。
「何度同じことを言ってもなおらない」と愚痴をこぼすより、自分の言い方に工夫の余地がないか振り返ってみましょう。
もしかしたら、違う言い方をすれば、子どもの行動が改まるかもしれません。
「あなたみたいな子は、ママの子じゃない」と、子どもの欠点を取り上げて全面否定するよりも、お母さんと子どもの似ているところを見つけて全面肯定をしてあげましょう。
「あなたは、ママにそっくりね。さすがママの子ね」と言ってあげた方が、子どもは自分やお母さんを好きになれます。
たとえば、野菜がキライで食べない子どもに、「キライでも栄養があるんだから食べなさい。ママはちゃんと食べているでしょう。あなたみたいな好き嫌いのある子は、ママの子じゃないわ!ダメな子ねえ」と言っても、効果はないでしょう。
言えば言うほど、お母さんはイライラするし、子どもは自信をなくしていくでしょう。
それよりも、たとえば次のように言ってみてはいかがでしょうか。
「あなたはママにそっくりね。でも、ママと一つだけ似ていないところがあるわ。ママもはじめは野菜がキライでだったけど、ガマンして食べてみたの。そのうちだんだん野菜が好きになったのよ。あなたもママの子だから、ガマンして食べているうちに、きっと好きになるわよ」
★人格を受け入れて言動を叱ろう