算数は積み上げの教科です。
前の学年の学習内容を理解できず、次の学年に進むと、子どもはつまずきます。
たとえば、繰り上がりのある一ケタの足し算(7+5)ができなければ、二桁の足し算(17+15)もできません。九九を覚えていなければ、次の学年で習う二桁以上のかけ算も割り算もできるはずがありません。
つまずきは、テストの結果になってはっきりと表れます。
テストの結果が悪い子どもは、自信を失い、「ぼくはできない」「ぼくはバカだ」と思い込んでしまいます。
本当は、ただ、ある時点でつまずいているだけです。
その時点までもどって、理解させ、練習すれば、ふつう誰でもできるようになります。
算数で子どもたちが「自分もできる」と自信を回復しやすいものは、計算の学習です。
算数でまず身につけなければならない大事な力も、計算の力です。
応用力を試す文章題も、この計算力が基礎となっています。
計算が速く正確にできれば、応用問題でも当然有利となるのです。
それに無味乾燥と言われる計算練習も、やり方を工夫すれば、子どもの意欲を高める学習になります。
計算練習はすればするほど、スピードアップし、正確になるからです。
自分の成長がはっきりと実感できるので、実にやりがいのある学習となりうるのです。
ところで、ご家庭で計算練習をさせるには、三つの原則があります。
1.今の実力でできる問題から練習をさせることです。
わが子が五年生だから、五年生なみの問題からさせようと、あせったり、背伸びをしたりしない方がよいのです。
二年生の問題でつまずくようなら、そこからスタートしましょう。
2.できるだけ毎日させることです。
「継続は力なり」です。日曜日は休んでも、毎日させた方が力はつきます。
3、成果を実感させてやることです。
どれだけ速くなったか、正確になったかを数字に表すとよいでしょう。
たとえば、同じタイプの百問の計算問題(例えば「百マス計算」)をさせ、時間を計ってやります。
たいていは、一回目、二回目、三回目と回を重ねていけば成果が表れます。
大事なことは、計算の学習を通して、達成感を味わわせ、「ぼくもやればできるんだ」「練習すれば、もっとできるようになるんだ」と自信とやる気をもたせることです。
★算数は、まずできる問題から練習させよう。