私が勤務した学校では子どもたちに、「読書は一番の勉強」と言っています。
読書が進んでできる子どもは、いま多少テストの点がよくなくても、大丈夫です。
それは第一に読書をしていると、自然と国語の力がつくからです。
国語はすべての教科の基礎となります。
私は中学校で社会科を教えたことがありますが、国語の成績のよい子は社会の成績が悪くなることはありません。
社会科では、たとえ病気で授業をまったく受けていなくても、自分で教科書の文章がすらすら読めて理解できれば、なんとかテストには対応できるのです。
理科でも算数でも、教科書やテストは文章で説明されているので、まず文章が読めなければなりません。
初めてする算数の応用問題を一度か二度読んで、「意味がわかりません」と言う子がよくいますが、たいていは文章の読解力の弱い子です。
読書は、他の教科にも必要な読解力と語彙力をつけてくれるのです。
さらに、読書をしていると、幅広い知識を身に付けることができます。
社会科でも理科でもすべての教科で言えることですが、教科書や授業で学習したことをきっかけに、自分が興味をもった分野や人物に関する本を探して読めると、幅広い知識がどんどん身についていきます。
その幅広い知識の蓄積は、目先のテストでは必要ないかもしれませんが、将来きっと役に立つのです。
私が勤務した小学校では、家庭でも読書をするように勧めています。
そのため、小学一年生の五月から、「読書日記」という宿題を出しています。
「読書日記」とは、読んだ本のタイトルとページ数を書くだけのカンタンなものです。
読む本、読むページ数、時間は自由です。
ただ、これを毎日、担任に提出します。
担任は、毎日その日の欄にハンコを押して返します。
クラスによっては、月ごとに「今月のおもしろかった本」を発表させたり、学級通信に載せたりして、自分のお薦めの本を教え合っているようです。
これがベストのやり方ではないかもしれませんが、何よりも読書をやり始め、そして続けることが大切です。
続けるうちに、いつの間にか子どもは読書が好きになり、読書が習慣となっていきます。
あなたのご家庭でも、子どもが読書を好きになるように、何か小さな取り組みができな
いでしょうか。
たとえば、いっしょに十分間の読書をすることは素晴らしいと思います。
読書は、親にも子にも一番良い勉強になるでしょう。
★「毎日、ごはん」のように、「毎日、読書」を習慣にさせよう。