学力を伸ばすヒント

「努力の持続」が能力を伸ばす

どんな力も一朝一夕には身につきません。
長い間、努力を継続して少しずつ身につけていくものです。

このことは、私の二十三年間の教職生活においても、実感できることでした。
私の勤務する学校では、小中学校の九年間一貫教育を行っています。
小学一年生で入学した子供は、ふつう中学三年まで通います。

子どもたちの九年間の成長過程を見ていくと、知能の良し悪しよりも、おのずと他に大切なものがあると度々気づかされてきました。

その一つが「努力の持続」です。
どの教科でも、コンスタントに続けられる子どもは、確実に学力が伸びていきます。
逆に、続けてやれない子どもは伸び悩みます。

小学一年生ときの知能テストで同じような数字だったのに、九年間たつと、その学力差は歴然としたものになる例を何度も見てきました。
結局、コツコツした努力の積み重ねがあってこそ、確かな学力に結びつくのです。

家庭でも、続けてできる子に育てるために何かできないでしょうか。
できれば、毎日欠かさず続けられるものを見つけて、励ましてあげるのです。

日記、読書、手伝いなど、少しは努力や労力を必要とするものがよいでしょう。
百日間続ければ、習慣になります。
習慣になれば、力になります。
家庭でも、百日間続けることを目標にさせ、励ましていきましょう。

また、子どもには、机に向かって勉強するクセをつけさせるようにお薦めします。
「勉強をしなさい」と口すっぱく言うよりも、勉強ができるように協力してやることが大切です。

食事を決まった時間に始めると、子どもは勉強の計画が立てやすくなります。
また、子どもが勉強をしているときに、誰かがテレビを見ていると気が散るので、できるだけ消すといいでしょう。
また、子どもが勉強するそばで、家族のだれかが本を広げたり、書き物をしたり、知的な作業をしていると、集中できる場合もあります。

家庭学習の時間は、だいたい十分間×学年が目安です。
高学力の子どもなら、二十分間×学年はできています。

つまり四年生なら八十分間で、それ以上やらせる必要はありません。
一度に何時間もして、その後疲れて何日もさぼるより、短時間でも毎日コツコツする方がよいのです。

コツコツ努力を積み上げる習慣は、子どもの才能を将来開花させる力となるのです。

★伸びる最高のコツは「コツコツ」だと教えよう。