一人で食事をとる子どもが増えています。
夜、お父さんの帰りが遅いので、お腹を空かせている子どもに、お母さんは「もう少し待ちなさい」とも言えず、「じゃあ、先に食べておきなさい」と一人で食べさせることがあります。
お父さんが早く帰っていても、子どもの方が夜は塾通いでいっしょに食事ができないときもあります。
次第に生活時間が夜にずれこみ、朝起きるのが遅くなり、それだけ朝はみなバタバタ慌ただしくしています。
急がないと会社や学校に間に合わないので、一人ひとり自分の都合のよいときに、キッチンに顔を出してパンを口に放り込んで朝食とするか、あるいは食べないですませるかしています。
結果的に、子どもが一人で食事をとるケースがだんだん増えています。家族みんながそろって食事をとることが少なくなってきているのです。
一人でとる食事は、たとえ高級なものでも味気ないものです。
おいしくても、「おいしいね」と言うこともない。
「おいしいね」と言って共感してもらうこともできないのです。
一人で食事をするとき、子どもはさみしいものです。
食事をしながら、子どもはおしゃべりもしたいのです。
今日あったおもしろいことを聴いてもらいたいし、お父さんやお母さんに質問もしたいのです。
でも、お父さんはいつも忙しそうだし、お母さんはよくスマホを見ています。
だから、子どもはしょんぼりと黙って食べるのです。
家族がそろって食事ができる家庭の子どもは、それだけで恵まれています。
多くの場合、お母さんの心のこもった手料理が食べられます。
子どもは、お母さんの料理にお母さんの愛情と笑顔を感じるのです。
食卓では、いろいろな話題が出てきてとてもためになります。
大人同士の話を聞いているだけで、子どもは世の中のことがわかって勉強になります。
教科書を広げるよりも、ずっと勉強になるかもしれません。
「勉強をしなさい」と、百回言われるよりも、学習意欲がわいてくるものです。
もちろん、自分の話も聴いてもらえて、うれしくなります。
みんながあまりにも忙しければ、週に一度、曜日を決めて集まってはいかがでしょう。
家族が同じ食卓を囲んでワイワイ言いながら食べると、よいことがたくさんあります。
結果的に、子どもは家族に愛されていると感じ、家族の絆がいっそう強まるのです。