効果的な叱り方のヒント

叱った方がうまくいく?

子どもを自立した人間を育てるために、しつけは必要です。

ただ、しつけとは叱ることだと思っている人がいるようです。

確かに、叱ることも必要ですが、叱るとは、しつけの一つの手段に過ぎません。

昔から言われるように、「七つほめて、三つ叱る」ぐらいがちょうどよく、ほめることを中心にした方がいいのです。

しかも、叱って効果あるのは、子どもの言動のうち、やめさせたいことに対してです。

たとえば、「危険なことをする」「公共の場で騒ぐ」「人に害を与える」など。

ところが、叱ることが多い人は、子どもをほめてあげた方がいい場面でも叱ることがあります。

親は励ましているつもりかもしれませんが、子どもの方は叱られていると感じることが多いのです。
たとえば、朝起きてボーッしている子どもに着替えさせたいときに、「グズグズしないの!早く、早く!」というような言葉。

これは子どもにとって叱られていると同じです。

しかも、子どもを自立させるという教育の目的から見れば、叱った効果はあまり期待できません。

子どもによっては、グズグズって何のことか、そのグズグズをしないで、かわりに何をすればよいのかわからないでキョトンとしています。

あるいは、親が何やら怒っているみたいだから、しぶしぶ動き出すかもしれませんが、子どもの自主性が育っているわけではないのです。

ボーッとしている子どもに着替えをさせたいときは、子どもが自分でできるような言葉かけが必要です。
たとえば、「パジャマを着替えよう。上着のボタン自分ではずせるかな?」と言って、今何をすればいいか教えてあげます。

そして自分ではずせたら、「よくできたね」とほめてあげればよいのです。

子どもを自立した人間にしつけるためには、子どもにやらせたいこと、続けさせたいことはほめて、その能力を伸ばしてやるべきです。

子どもは、ほめられることで伸びます。特の親や教師、身近な大人からほめられることで、自分の力をぐんぐん伸ばし、自分の可能性を広げていけます。